脂肪溶解注射のしくみ
脂肪溶解注射に使用される薬剤の主成分は、もともと高脂血症や脂肪肝の治療に使われていました。
これは大豆から抽出される成分で、脂質の代謝を高めて溶かす作用があります。
これを利用したのが脂肪溶解注射です。
皮下脂肪に注射すると、脂肪細胞が破壊され溶解します。
溶解された脂肪は、汗や尿などともに体外へ排出されます。
脂肪細胞の数は大人になってから増えることはないので、一度排出された脂肪細胞が戻ることはありません。
このことから、脂肪溶解注射はリバウンドしにくい痩身手術といわれているのです。
施術時間は10分ほどで、ダウンタイムもほとんどありません。
脂肪溶解注射のプチ整形
脂肪溶解注射はどのような手術に用いられているのか見ていきましょう。
痩身
「昔より痩せにくくなったな~」とお考えの方は多いのではないでしょうか。
年齢を重ねると加齢により筋肉量が減少し、代謝が下がって痩せにくくなります。
これは「加齢性筋肉減少症」といい、30歳前後をピークに筋肉量の減少が始まり、40歳前後でさらに加速していく症状です。
また、ストレスホルモンが分泌されると、腹部への脂肪が溜まりやすくなります。
さらに体質によって、ある部分だけ痩せにくいというケースがあります。
脂肪溶解注射は、脂肪を溶解して溶かしていくため、代謝が落ちてしまっていても確実に脂肪を減少させることが可能です。
また、自分では落とせない部位の部分痩せもできます。
脂肪細胞自体が減少するため、リバウンドの心配もありません。
プチ小顔整形
顔の脂肪は、減少させることが難しいといわれています。
顔についているのは皮下脂肪ですが、内臓脂肪に比べてゆっくりと蓄積され、ゆっくりと代謝されるため一度ついてしまうと落ちにくいのです。
また、脂肪が多いとむくみの原因となるため、さらに顔が太って見えてしまいます。
脂肪溶解注射では、二重あごや頬、まぶたの脂肪の減少が叶います。
小顔になれば、全身のバランスが良くなるため、スタイルアップが可能です。
鼻のプチ整形
鼻を小さくしたいという方にも、脂肪溶解注射が選ばれています。
鼻の脂肪を溶解することで、鼻筋を細くする・団子鼻を解消する等が可能です。
切らずに鼻を小さくしたい方はぜひ検討してみてくださいね。
脂肪溶解注射のメリット・デメリット
最後に、脂肪溶解注射のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
まず、メリットとしては
- 部分痩せができる
- リバウンドしにくい
- ダウンタイムが少ない
などが挙げられます。
一方で、脂肪溶解注射には次のようなデメリットもあります。
腎臓に悪影響を及ぼす可能性
溶解された脂肪は腎臓で代謝されるため、一度に大量の脂肪が代謝されると腎臓に大きな負担がかかります。
過去には、大量の脂肪溶解注射の投与により、腎不全を起こしたケースがあります。
広範囲には不向き
脂肪吸引よりも安く手軽にできる脂肪溶解注射ですが、一度に大量の薬剤を注すると体への負担がかかるため、使用できる量に制限があります。
広範囲の脂肪を除去したい場合は、間隔を開けて何度も注射しなければならなくなるため、脂肪吸引の方が低価格で済む可能性があります。
反復継続した利用が必要
脂肪溶解注射の薬剤は瓶1本あたり10㏄という容量で、これで溶解できる脂肪はおおよそ1㏄です。
これくらいの脂肪が減ったとしても、見た目にはわかりません。
一度に投与できる量に制限があることからも、目に見えた効果を実感するためには4~5回以上に分けて施術を受ける必要があります。
納得して手術に臨みましょう
脂肪吸引よりも安く手軽なことから大人気の脂肪溶解注射ですが、様々なデメリットもありました。
上記の内容を理解し、クリニックでの事前説明に納得した上で施術を受けるようにしましょう。